Amazon EC2 とは?仮想サーバーの仕組み・料金・主要インスタンスタイプを徹底解説

EC2 は AWS の 仮想サーバーをオンデマンドで提供するサービス。物理サーバーを購入・調達することなく、Web ブラウザや CLI から数分で仮想マシン(インスタンス)を起動でき、使った分だけ課金される。AWS の全サービスの土台となる、最も基本かつ重要なコンピューティ...

AWS が提供する仮想サーバーサービス。必要なサイズ・OS を選び、数分で起動・停止できる IaaS の代表格。


1. 概要(端的に)

EC2 は AWS の 仮想サーバーをオンデマンドで提供するサービス。物理サーバーを購入・調達することなく、Web ブラウザや CLI から数分で仮想マシン(インスタンス)を起動でき、使った分だけ課金される。AWS の全サービスの土台となる、最も基本かつ重要なコンピューティングサービス。


2. 何ができるか

EC2 を使うと、インフラを所有せずに任意のサーバー処理を実行できる。物理サーバー調達に必要な数週間が、数分に短縮される。

主な機能

  • インスタンスの起動・停止・終了:必要な時に立ち上げ、不要なら止める
  • インスタンスタイプの選択:vCPU・メモリ・ネットワーク性能を用途別に選べる(500 種類以上)
  • OS の選択:Linux(Amazon Linux/Ubuntu/RHEL/SUSE 等)、Windows Server、macOS など
  • ストレージの接続:EBS(永続)や Instance Store(一時)をアタッチ
  • ネットワーク制御:VPC 内に配置し、Security Group でファイアウォール制御
  • スケーリング:Auto Scaling と連携し、需要に応じて自動増減
  • 負荷分散:ELB(ALB/NLB)と組み合わせてトラフィック分散
  • イメージ化:AMI として保存・複製・他リージョンへ展開

課金体系

  • 秒単位課金(Linux/Ubuntu/Amazon Linux 等、最低 60 秒)
  • 時間単位課金(Windows・一部の商用 Linux)
  • 4 つの購入オプション:オンデマンド・リザーブド・スポット・Savings Plans

3. 特徴

EC2 の最大の特徴は 「弾力性(Elasticity)」。需要に応じてリソースを自由に増減でき、使った分だけ課金される。

観点特徴
拡張性数秒で台数を 1 → 1000 へスケールアウト可能
多様な料金体系用途に応じて最大 90% の割引を選択可能
OS の自由Linux 各種・Windows・macOS まで対応
ハードウェアの自由汎用・コンピュート最適化・メモリ最適化・GPU・FPGA・ARM など多様
耐久性EBS の組み合わせでデータの永続化が容易
責任共有モデルOS・ミドルウェア以上は利用者責任(IaaS 領域)
グローバル展開全世界 30 以上のリージョンで同じ操作で起動可能
API 駆動すべての操作が API 化されており IaC(CloudFormation/Terraform)と相性◎

「物理サーバーで丸 1 日かかった構築」が EC2 では 5 分で終わる。さらにテンプレート化(AMI)すれば、1 回作れば何度でも複製できる。


4. 仕組み

EC2 は Nitro System という独自設計のハイパーバイザー基盤上で動作する。Nitro はネットワーク・ストレージ・セキュリティを専用ハードウェアにオフロードし、仮想化のオーバーヘッドを最小化することで、ベアメタルに近い性能を提供する。

構成要素

  • インスタンス:仮想マシン本体。t/m/c/r/x/p/g など 用途別 ファミリーから選ぶ
  • AMI(Amazon Machine Image):OS・ソフトウェアを含む起動テンプレート
  • EBS(Elastic Block Store):永続ブロックストレージ。インスタンスを止めてもデータは保持
  • Instance Store:物理ホスト直結の一時ストレージ。インスタンス停止で消える
  • VPC(Virtual Private Cloud):EC2 が起動するプライベートネットワーク
  • Security Group:インスタンスに紐づく仮想ファイアウォール(ステートフル)
  • Key Pair:SSH 接続用の公開鍵 / 秘密鍵ペア
  • IAM Role:インスタンスから他 AWS サービスへの一時権限を付与
  • ENI(Elastic Network Interface):仮想 NIC。1 インスタンスに複数アタッチ可能

動作の流れ

  1. AMI 選択:起動したい OS・ソフトウェアを含む AMI を選ぶ
  2. インスタンスタイプ選択:vCPU・メモリの規格を選ぶ
  3. VPC・サブネット指定:起動先のネットワークを指定
  4. Security Group 設定:ファイアウォールルール(インバウンド/アウトバウンド)を定義
  5. Key Pair 指定:SSH 接続用の鍵ペアをアタッチ
  6. 起動:API 経由で起動(マネコン・CLI・SDK・IaC のいずれか)
  7. 状態遷移:pending → running → stopping → stopped → terminated

ライフサイクル状態

  • pending(起動中)
  • running(実行中・課金対象)
  • stopping(停止処理中)
  • stopped(停止済み・EBS のみ課金)
  • shutting-down(終了処理中)
  • terminated(終了済み・EBS は条件次第で削除)

5. ユースケース

ユースケース 1:Web サーバー・アプリサーバー

最も代表的な使い方。EC2 + ALB + RDS の構成で、社内システムから一般向け Web サービスまで幅広く対応。Auto Scaling と組み合わせれば、トラフィック変動に自動追従できる。

ユースケース 2:開発・検証環境

本番と同じ構成を低コストで再現したい開発環境に最適。就業時間外は停止することでコストを 60〜70% 削減 できる。

ユースケース 3:バッチ処理・データ処理

夜間の集計バッチや ETL 処理。スポットインスタンスを活用すれば、通常の 90% オフ で大量並列処理が可能。

ユースケース 4:高性能計算(HPC)・機械学習

GPU インスタンス(p4/g5)を使った機械学習モデルの学習や、CFD・ゲノム解析などの科学計算。

ユースケース 5:オンプレ移行(リフト&シフト)

既存のオンプレサーバーを AMI 化して EC2 に持ち込む(「Rehost」戦略)。一番手早いクラウド移行手段。


6. 関連用語

  • VPC — EC2 が起動するプライベートネットワーク
  • EBS — EC2 にアタッチする永続ブロックストレージ
  • Security Group — EC2 のステートフル仮想ファイアウォール
  • AMI — EC2 の起動テンプレート(OS・ソフト込み)
  • ELB — EC2 への負荷分散(ALB/NLB/CLB/GWLB)
  • EC2-Auto-Scaling — EC2 を自動増減する仕組み
  • EC2-InstanceTypes — EC2 のスペック規格(t/m/c/r/x/p/g)
  • EC2-OnDemand / EC2-RI / EC2-Spot / Savings-Plans — EC2 の購入オプション
  • IAM — EC2 に渡す権限を定義
  • CloudWatch — EC2 のメトリクス・ログ監視

7. 関連サイト

AWS 公式

参考


🎓 試験での出題傾向

試験重要度主な出題パターン
CLFEC2 の基本概念、料金体系、責任共有モデル
SAAインスタンスタイプの使い分け、Auto Scaling、配置戦略、コスト最適化
DVAIAM Role の付与、ユーザーデータ、AMI 自動化、SDK 操作
SOA監視・運用、パッチ管理、トラブルシュート、コスト管理