EC2 インスタンスタイプ完全ガイド|t/m/c/r/x ファミリーの違いと選び方
EC2 インスタンスタイプは 「どんな計算リソースを持つ仮想マシンか」を決める規格。「ファミリー(用途)+ 世代 + サイズ」で命名され(例:`m6i.large`)、500 種類以上から選択できる。用途・予算に応じた最適選定が SAA・DVA 試験の頻出論点。 ---
EC2 の用途別スペック規格。t/m/c/r/x/p/g などのファミリーで、CPU・メモリ・ネットワーク特性を選択する。
1. 概要(端的に)
EC2 インスタンスタイプは 「どんな計算リソースを持つ仮想マシンか」を決める規格。「ファミリー(用途)+ 世代 + サイズ」で命名され(例:m6i.large)、500 種類以上から選択できる。用途・予算に応じた最適選定が SAA・DVA 試験の頻出論点。
2. 何ができるか
インスタンスタイプを選ぶことで、CPU・メモリ・ネットワーク・ストレージ・特殊ハードウェアのバランス を用途に合わせて最適化できる。
主なファミリー(用途別)
- 汎用(T/M):Web/アプリサーバー、開発環境
- コンピュート最適化(C):CPU 集中処理、Web サーバー高負荷、バッチ処理
- メモリ最適化(R/X/U):DB、キャッシュ、ビッグデータ処理
- ストレージ最適化(I/D/H):NoSQL、データウェアハウス、分散ファイルシステム
- 高速コンピューティング(P/G/F/Trn/Inf):機械学習、グラフィック、FPGA、推論
- HPC(Hpc):大規模並列計算、CFD、ゲノム解析
- macOS(Mac):iOS/macOS アプリビルド
命名規則の読み方
例:m6i.large
- m = ファミリー(汎用)
- 6 = 世代(新しいほど高性能・低価格)
- i = プロセッサ(i=Intel, a=AMD, g=Graviton/ARM, n=ネットワーク強化, d=NVMe SSD 等)
- large = サイズ(nano/micro/small/medium/large/xlarge/2xlarge/…/24xlarge/metal)
3. 特徴
| 観点 | 特徴 |
|---|---|
| バーストモード | T 系は CPU クレジットを貯めて瞬間的に高速化(普段は控えめ) |
| 新世代の優位性 | M5 → M6i で 同価格で約 15% 性能向上 が一般的 |
| Graviton(ARM) | g 接尾辞。x86 より 約 20% 安く約 40% 効率良い(互換性に注意) |
| 専有テナンシー | 物理ホストを専有可能(コンプライアンス用途) |
| サイズの倍々ルール | xlarge は large の 2 倍、2xlarge は xlarge の 2 倍(vCPU・メモリ) |
| バーストネットワーク | サイズが大きいほどネットワーク帯域も増える |
サイズと vCPU・メモリの目安(m6i 系)
| サイズ | vCPU | メモリ | ネットワーク |
|---|---|---|---|
| m6i.large | 2 | 8 GB | 最大 12.5 Gbps |
| m6i.xlarge | 4 | 16 GB | 最大 12.5 Gbps |
| m6i.4xlarge | 16 | 64 GB | 最大 12.5 Gbps |
| m6i.metal | 128 | 512 GB | 50 Gbps |
4. 仕組み
インスタンスタイプは ファミリー × 世代 × オプション × サイズ の 4 階層で構成される。
構成要素
- ファミリー:用途別の大分類(M/C/R/X/I/P/G/F/Hpc/Mac/T)
- 世代:番号が大きいほど新しい(m4 < m5 < m6i < m7i)
- オプション接尾辞:プロセッサ種別やストレージ強化を示す
i= Intel /a= AMD /g= Graviton(ARM)n= ネットワーク強化 /d= NVMe SSD ローカル /e= メモリ拡張
- サイズ:vCPU とメモリは線形に増減
バーストインスタンス(T 系)の仕組み
T2/T3/T3a/T4g は CPU クレジット制:
- 通常時は決まった CPU 性能(baseline)で動く
- 余ったクレジットを蓄積(最大 24 時間分)
- 高負荷時にクレジットを消費してフル CPU で動作
- クレジット切れ → ベースライン性能に戻る(T2)または追加課金(T3 標準モード)
選定の考え方(試験頻出)
低コスト・小規模 → T 系
標準的な Web サーバー → M 系
CPU 集中 → C 系
メモリ集中(DB/キャッシュ) → R/X 系
GPU 必要(ML) → P/G 系
ストレージ I/O 重視 → I/D 系
コスト最優先(互換性 OK) → Graviton(M6g/C6g/R6g)
5. ユースケース
ユースケース 1:Web サービス(中規模)
m6i.large で開発、本番は m6i.xlarge を Auto Scaling で 2〜10 台。コスト最適化なら m6g.large(Graviton)に切替で 20% 削減。
ユースケース 2:高負荷バッチ処理
c6i.4xlarge をスポットで起動 → 処理が終わったら自動終了。通常コストの 1/10。
ユースケース 3:インメモリ DB(Redis 自前運用)
r6i.2xlarge(メモリ 64 GB)で Redis を起動。マネージド ElastiCache を使わない場合の選定例。
ユースケース 4:機械学習トレーニング
p4d.24xlarge(GPU 8 基、メモリ 1.1 TB)。スポットで起動して大幅にコスト削減。
ユースケース 5:開発環境(夜間停止)
t3.medium で開発、就業時間外は停止スクリプトで自動停止 → 月コスト 60% 削減。
6. 関連用語
- EC2 — 仮想サーバーサービス本体
- EC2-OnDemand — 標準的な購入オプション
- EC2-RI — 1〜3 年契約で割引
- EC2-Spot — 余剰キャパで最大 90% 割引
- Savings-Plans — 柔軟な継続コミット割引
- Placement Group — インスタンス配置の制御
- Compute-Optimizer — 最適なインスタンスタイプを推奨
- AMI — 起動テンプレート
7. 関連サイト
AWS 公式
参考
🎓 試験での出題傾向
| 試験 | 重要度 | 主な出題パターン |
|---|---|---|
| CLF | 中 | 「t/m/c/r の用途は?」レベル |
| SAA | 高 | 「DB に最適なファミリーは?」「コスト最適化のため Graviton 移行」など |
| DVA | 高 | アプリ要件に対する適切なタイプ選定 |
| SOA | 高 | サイジング・運用上のリサイズ判断 |