ネットワーク

AWS Transit Gateway とは?多数 VPC を集約するハブ&スポーク

Transit Gateway(TGW)は 多数の VPC・VPN・Direct Connect を 1 つのハブで集約するマネージドルーター。VPC Peering のメッシュ複雑化問題を解消し、「N 個の VPC を 1 つの TGW でつなぐ」 スター型のシンプル構成...

多数の VPC・オンプレ拠点をハブ&スポーク型で集約接続する中央ルーター。


1. 概要(端的に)

Transit Gateway(TGW)は 多数の VPC・VPN・Direct Connect を 1 つのハブで集約するマネージドルーター。VPC Peering のメッシュ複雑化問題を解消し、「N 個の VPC を 1 つの TGW でつなぐ」 スター型のシンプル構成を実現する。複数アカウント・複数リージョンに対応。


2. 何ができるか

  • 多数 VPC の集約:1 TGW で数千 VPC まで接続
  • オンプレ統合:Direct Connect / VPN を TGW にアタッチ
  • クロスリージョン接続:TGW 同士のピアリング
  • マルチアカウント:AWS Organizations と連携で全社接続
  • ルーティング制御:複数のルートテーブルで経路分離
  • マルチキャスト対応

vs VPC Peering

観点TGWVPC Peering
接続数N 個の VPC を 1 ハブで1 対 1
設定数N アタッチN×(N-1)/2 接続
遷移性ありなし
別リージョンTGW 間 Peering直接 Peering
料金時間課金 + データ転送無料 + データ転送
用途中〜大規模小規模(2-3 VPC)

3. 特徴

観点特徴
追加料金アタッチメント時間課金 + データ処理($0.05/GB)
接続上限1 TGW あたり 5,000 VPC アタッチ
帯域アタッチメントあたり 50 Gbps
遷移性あり(Transit と名前の通り)
ルートテーブル1 TGW に複数ルートテーブル可(経路分離)
クロスアカウントRAM で共有可
クロスリージョンTGW Peering でリージョン間接続

ハブ&スポーク構成

[Transit Gateway(中央)]
  ├ アタッチ:VPC-A
  ├ アタッチ:VPC-B
  ├ アタッチ:VPC-C
  ├ アタッチ:VPN(オンプレ拠点)
  └ アタッチ:Direct Connect(本社)

→ 全 VPC・拠点が TGW 経由で互いに通信可能。


4. 仕組み

TGW は AWS マネージドな中央ルーター。各 VPC やオンプレ拠点を「アタッチメント」として接続し、TGW 内の ルートテーブルで経路を制御する。

構成要素

  • TGW 本体:中央ルーター
  • アタッチメント:VPC / VPN / Direct Connect / TGW Peering
  • TGW ルートテーブル:経路ルール(複数可)
  • アソシエーション:アタッチメントとルートテーブルの紐付け
  • プロパゲーション:自動経路伝播

動作の流れ

  1. TGW 作成
  2. 各 VPC をアタッチメントで接続
  3. VPC のルートテーブルに 他 VPC CIDR → TGW 追加
  4. TGW のルートテーブルで経路定義
  5. 通信開始(プライベート IP で相互通信)

ルートテーブル分離パターン

本番ルートテーブル:本番 VPC のみ相互接続
開発ルートテーブル:開発 VPC のみ相互接続
共有サービスルートテーブル:本番・開発両方から共有 VPC へ

→ 環境分離・セキュリティ境界を TGW 内で実現。

料金

  • 時間課金:アタッチメント数 × 時間($0.05/h ≒ ¥7.5/h/個)
  • データ処理:$0.02/GB(送信側)

5. ユースケース

ユースケース 1:マルチアカウント統合

開発・ステージ・本番アカウントの VPC を 1 TGW で接続。

ユースケース 2:オンプレ + AWS のハイブリッド

本社(Direct Connect)+ 支社(VPN)+ AWS(複数 VPC)の中心ハブに。

ユースケース 3:M&A 統合

買収先企業の AWS 環境を TGW で統合。

ユースケース 4:複数リージョン間接続

東京 TGW ↔ 大阪 TGW の Peering で全社グローバル網。

ユースケース 5:共有サービス VPC

監視・ログ集約・認証等の共有サービスを 1 VPC に集約し、TGW で全社配信。


6. 関連用語


7. 関連サイト

AWS 公式

参考


🎓 試験での出題傾向

試験重要度主な出題パターン
CLFTGW の存在
SAATGW vs Peering、マルチアカウント設計
DVA出題稀
SOATGW 運用・モニタリング