SAA オンプレミス → AWS 移行のサービス選定|DMS・DataSync・Snow・MGN を要件文で即断する

AWS SAA-C03 で「オンプレミスから AWS へ移行するのに最適なサービスはどれか」は、6R の戦略理解と並ぶ頻出テーマだ。本記事は移行対象を「サーバー/データベース/ファイル・オブジェクト」の3系統に分け、Application Migration Service(MGN)・Database Migration Service(DMS)・DataSync・Snow Family・Storage Gateway を用途で一意に引く反射を作る。さらに SAA 最頻出の分岐点「大量データはオンライン(DataSync)かオフライン(Snow)か」を、データ量・回線帯域・期限の3点セットで判断する型、「迅速に/数日で」というキーワードが出たらオンライン、という即断ルールまで整理する。結論は「移行サービスの選定は、まず対象の種類で系統を絞り、次に回線とデータ量と期限で転送手段を決める」こと。要件文のキーワードから正解のサービスを迷わず当てられるようになる。

「オンプレミスから AWS への移行に最適なサービスはどれか」——SAA-C03 でこの一文を読んだとき、選択肢に MGN・DMS・DataSync・Snowball が並んでいて手が止まるなら、それは戦略(6R)は覚えたが「道具の使い分け」が反射になっていないサインだ。 移行サービスの選定問題は、コスト最適化(ドメイン4)弾力性(ドメイン2)の設問に単体で紛れ込む頻出パターンである。攻略の鍵はシンプルで、まず「何を移すのか(サーバー/DB/ファイル)」で系統を絞り、次に「回線とデータ量と期限」で転送手段を決めるという2段階の絞り込みだ。とくに SAA 最頻出の分岐点——「大量データはオンライン(DataSync)か、オフライン(Snow Family)か」——は、要件文の『迅速に』『数日で』『1週間以内』といったキーワードから一意に引ける。本記事では、6R の戦略記事と対になる「サービス選定」の型を、本番でそのまま選択肢を絞れる粒度で整理する。読み終えれば、移行サービスの設問に迷わず正解を当てられるようになる。

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📑 目次

  1. 結論:移行サービスは「対象の種類 → 回線とデータ量」の2段階で選ぶ
  2. 系統1:サーバーを移す(MGN)
  3. 系統2:データベースを移す(DMS + SCT)
  4. 系統3:ファイル・オブジェクトを移す(DataSync・Snow・Storage Gateway)
  5. 最頻出の分岐:オンライン(DataSync)か オフライン(Snow)か
  6. 要件キーワード → 正解サービス 早見表
  7. 次のアクション チェックリスト
  8. 関連記事
  9. 関連サイト

1. 結論:移行サービスは「対象の種類 → 回線とデータ量」の2段階で選ぶ

移行サービスの選定問題を最短で解く骨格は、**「①移す対象の種類(サーバー/データベース/ファイル・オブジェクト)で系統を1つに絞り、②ファイル・オブジェクト系だけは、さらに回線・データ量・期限でオンラインかオフラインかを決める」**という2段階の絞り込みだ。これが本記事の結論である。

理由は、移行サービスがそれぞれ担当する「対象の種類」で役割分担しているからだ。サーバー丸ごとなら Application Migration Service(MGN)、データベースなら Database Migration Service(DMS)、ファイルやオブジェクトの転送なら DataSync か Snow Family——ここを取り違えると、たとえば「DB を移したい」のにファイル転送の DataSync を選んで誤答する。逆に対象の種類さえ正しく読めば、候補は一気に1〜2個まで絞れる。

具体例で確認しよう。「稼働中の Oracle を止めずに Aurora へ移したい」——DB 移行だから DMS(異種 DB なので SCT を併用)。「Windows サーバー群を最小ダウンタイムで EC2 へ複製したい」——サーバー移行だから MGN。「オンプレの NAS にある 5TB のファイルを S3 へ、回線は十分ある」——ファイル転送でオンライン可能だから DataSync。「1PB を、細い回線しかない拠点から移したい」——ネットワークが非現実的だから Snow Family。このように、対象の種類で系統を絞り、ファイル系だけ回線とデータ量で仕上げる——この2段階が選定問題の攻略法だ。


2. 系統1:サーバーを移す(MGN)

AWS Application Migration Service(MGN)は、オンプレミスや他クラウドの物理・仮想サーバーを、OS・アプリごとまるごと EC2 へ複製するサービスだ。旧 CloudEndure Migration の後継で、6R でいう Rehost(リフト&シフト)の主役である。

  • 仕組み:エージェントを各サーバーに入れ、ブロックレベルで継続レプリケーション。カットオーバー時に EC2 として起動するため、ダウンタイムを最小化できる。
  • 向くケース:多数のサーバーを短期間で、アプリを改修せずに移したい。「データセンター閉鎖の期限が迫る」「まず AWS に載せてから最適化」。
  • SAA での引き方:選択肢に「サーバーを最小のダウンタイムで移行」「リフト&シフト」が出たら MGN。

3. 系統2:データベースを移す(DMS + SCT)

**AWS Database Migration Service(DMS)**は、データベースを移行する専用サービスだ。リレーショナル DB・データウェアハウス・NoSQL など幅広いデータストアに対応する。

  • フルロード + CDC:初期データを一括コピー(フルロード)したうえで、変更データキャプチャ(CDC)で稼働中の更新を継続的に反映する。だから移行元 DB を止めずに移行でき、切り替え時のダウンタイムを最小化できる。
  • 同種移行と異種移行:MySQL → RDS for MySQL のような同種はそのまま。Oracle → Aurora のような異種 DB では、スキーマ/ストアドプロシージャを変換する Schema Conversion Tool(SCT)を併用する。
  • SAA での引き方:「稼働中の DB を停止せずに移行」「異種 DB エンジンへ移行」が出たら DMS(異種は SCT 併用)。

4. 系統3:ファイル・オブジェクトを移す(DataSync・Snow・Storage Gateway)

ファイルやオブジェクトのデータを運ぶ系統には3つの顔がある。**用途(一度きりの移行か/恒久的な橋渡しか/ネットワーク不可か)**で区別する。

  • AWS DataSync:オンプレの NAS・ファイルサーバーから S3EFS・FSx へ、ネットワーク経由で高速・自動転送する。一括移行にも、差分の継続同期にも使える「移行のための転送エンジン」。転送が終われば役目を終える。
  • AWS Snow Family(Snowball / Snowcone)ネットワークでは現実的でない超大容量を、物理デバイスに書き出して郵送するオフライン移行。回線が細い・データが巨大(TB〜PB 級)なときの選択肢。
  • AWS Storage Gateway:一度きりの移行ではなく、オンプレとクラウドを恒久的に橋渡しするハイブリッドストレージ。オンプレのアプリから AWS ストレージを「ローカルのように」使い続けたいときに選ぶ。
ファイル・オブジェクト移送3サービスの使い分け
評価項目
サービス 推奨
主な役割
転送経路
代表シーン
DataSync 一括/継続の移行転送 ネットワーク(オンライン) NAS→S3/EFS を高速移行
Snow Family 大容量のオフライン移送 物理デバイス郵送 PB級・回線が細い拠点
Storage Gateway 恒久的なハイブリッド橋渡し ネットワーク(常時) オンプレから AWS を継続利用
『一度きりの移行=DataSync/Snow』『使い続ける橋渡し=Storage Gateway』。移行系のなかで回線が非現実的なら Snow を選ぶ。

5. 最頻出の分岐:オンライン(DataSync)か オフライン(Snow)か

ファイル・オブジェクト移送で SAA が最も好んで問うのが、**「オンライン(DataSync)とオフライン(Snow Family)のどちらを選ぶか」**だ。判断は感覚ではなく、データ量・回線帯域・期限の3点セットで下す。

判断の型はこうだ。ネットワーク経由で許容時間内に転送し切れるならオンライン(DataSync)、回線が細い/データが巨大で郵送のほうが速いならオフライン(Snow Family)。目安として、数 GB〜十数 TB で回線があれば DataSync、数十 TB〜PB 級なら Snow が候補になる。ただし絶対量だけでは決まらず、**「その回線で期限までに終わるか」**という帯域×時間の計算が本質だ。

そして最強のショートカットがキーワード読みである。問題文に**『迅速に』『数日で』『1週間以内』とあれば、郵送で1週間前後かかる Snowball は間に合わないのでオンライン(DataSync)が正解**。また移行中もデータが追加・更新され続けるなら、差分に追従できる**オンライン(DataSync)**が正解になりやすい。


6. 要件キーワード → 正解サービス 早見表

本番でそのまま判断できるよう、要件文のキーワードと正解サービスの対応を1枚に畳んでおく。

移行の要件キーワード → 正解サービス
評価項目
要件文のキーワード
正解
理由
サーバー群を最小ダウンタイムで EC2 へ MGN サーバー丸ごと複製→切替
稼働中 DB を止めずに移行 DMS フルロード+CDC で無停止
異種 DB エンジンへ移行(Oracle→Aurora 等) DMS + SCT スキーマ変換が必要
NAS のファイルを S3/EFS へオンライン移行 DataSync ネットワーク高速転送
移行中もデータが更新され続ける DataSync 差分を継続同期できる
『迅速に/数日で/1週間以内』に移行 DataSync(オンライン) Snow は郵送で間に合わない
PB級・回線が細い・郵送が速い Snow Family オフライン物理移送
移行後もオンプレから AWS を使い続ける Storage Gateway 恒久的ハイブリッド橋渡し
安定帯域でオンプレ↔AWS を専用線接続 Direct Connect ハイブリッド接続の土台
対象の種類で系統を絞り、ファイル系は回線・データ量・期限で仕上げる。キーワードが正解を一意に決める。

7. 次のアクション チェックリスト

移行サービスの選定を、今日からの学習に落とし込むための具体アクションをまとめる。


8. 関連記事


9. 関連サイト

AWS 公式

参考(移行サービスの解説)